tsuji-cam's HISTORY
ニユーテレスB
天才カメラアシスタントの話〜

今回は、
ボクがまだニユーテレスに入社する前のアルバイト時代に出会った

天才カメラアシスタントの話をします。
それは、
ボクがやりたくてやりたくてたまらなかった番組

オールナイトフジ
初めてアシスタントとして参加した時の事です。
なんと、この番組は
副調整室(通称サブ)と呼ばれるものが
スタジオのフロアーにも作られている。
(ディレクターがフロアーの様子をじかに見たいという意味だろうけど・・)
スウイッチャーとモニターを並べた簡易的なサブだったが、
(もちろん、ちゃんとしたサブは2Fにあり、VEさんたちはそこで作業をしている。
いわゆるサブの出張所みたいなもの)
しかも!
そのサブは
アシスタントのみで作る事になっていた。
マ、マジでぇぇ!!!!
ボクは心の中で、
後々は覚えなきゃいけないんだよなぁ・・・
と落胆していた。
そんなサブをいとも簡単に先輩達は作り上げていく。
ニユーテレスってなんて優秀な会社なんだろう。
やっぱ、アシスタントでもプロなんだなぁ・・・
と感激したものである。
オールナイトフジのカメラ台数は
4台(後に5台に・・)だったが、
カメラアシスタントは3名だった。
今の時代からすると少ない。
でもボクは、

3人じゃ無理だとか、そんなこと何にもわからなかった。
ただただ、サブを組み立てている先輩達を尊敬していた。
その日、一緒にアシスタントを担当していたのは、
現在は、ニユーテレスの業務部で技術の窓口ともいえる

デスクを担当されている、鈴木達雄先輩と
現在は、カメラマンの他にスウイッチャーも多数担当されている
小川利行先輩のふたり。
そしてまだまだペーペーのボクを入れて
3人でこの番組をやることになった。

鈴木さんは2つ上の先輩で、小川さんは1つ上の先輩である。
ボクは3カメのアシスタントの担当になった。
あと3台。
しかも1台はハンディである。

小川さんがハンディのアシスタントを担当していた。
鈴木さんはチーフとして全体を見ていた。
オールナイトフジは、
夕方からセッティングが始まり、
夜にまず歌の収録が行われ、夜中に生本番が始まる。
ボクが衝撃を受けたのは、歌のRHの時だった。

歌の収録はハンディの見せ場でもある。
ベビーという小さな三脚に、ドリーという台車のようなものを付け
背を低くして、大きなカメラの前を動き回る。
当然、カメラマンもアシスタントも背を低く腰をかがめ動く。

カメラマンは映像を作り、
アシスタントはケーブルをさばきながら、カット割をした台本を見せる。
激しい曲はもちろん速い動きになる。
とにかくボクが驚いたのは

そのケーブルのさばきぶりのあざやかさだった。
出しては巻き、出しては巻きと、素晴らしい技だった。
小川さん、天才
こんな事、俺に出来るかなぁ・・・・。
と不安にもなった。
それに驚いていると、もうひとりのアシスタントが、

その後ろからさらにハンディをサポートし、
さらにあと2台も一人でさばいていた。
左手には1カメ、右手で2カメとハンディのサポートを
これまたあざやかにさばいている。

鈴木さんも天才だ!!
ボクは3カメ1台で必死だったのに、この先輩達はなんて凄いんだ!
プロってこんなに凄いもんなんだ、とショックを受けた。
アシスタントでさえ・・・・・。

ボクは不安もあったが、逆に

よーし!俺もやってやるぞ!!
というファイトが出た。
そんな瞬間だった。
ボクは、鈴木さんと小川さんの勇士を見て

ニユーテレスイズムをさらに感じていた。

アルバイト時代の話は、
まだまだつづく


つづく