tsuji-cam's HISTORY
ニユーテレス
O
〜それいけ!マーシー!!の話〜


1989年(昭和64年&平成元年)は、ボクにとって
ニユーテレス
2年目にあたる。
この年は、昭和天皇崩御に始まり、「氷点」旭川長期ロケと
とにかく忙しい出出しだった。
そんな3月のある日、
ボクは、
4月からの新番組のレギュラーを言い渡された。
日曜日のお昼1時からの番組
タイトル
それいけ!マーシー!!
田代まさし
さんの番組である。
浜町スタジオというスタジオに隔週(2本撮り)収録にいっていた。
SWに
高田さん、チーフカメラマンに田中さん(現SJ社長)
カメラマンに
花島さん、河西さん
そして
4カメにボクが抜擢されたのである。
今思えば、ボクを抜擢してくれたのは誰だったのだろうか?
感謝、感謝であります。

そんなある日の事、
ボクはSWの
高田さんにこんな事を言われた。
「この番組は、お前にかかっている。」
どんな思いでこの言葉が出たんだろうか?

今のボクが思うに、
新番組に新人をレギュラーで使う事、しかも5カメではなく4カメは、
かなりの賭けで、こいつがダメだったら番組は上手くいかない。

という考えからだと思われる。
実際、今、ボクが高田さんの立場だったら、
同じ事を言ったと思う。

でも、当時のボクはそんなことより、
与えられた責任感と不安、そして
やってやる!という気力だけしかなかった。

案の定、
この番組の4カメは、今までやらせてもらっていた
おまけのカメラ(そんなに重要なものではない)ではなかった。

まず大変だったのは、
タイトルコール
公開スタジオ収録で、田代さんの
それいけ!というOFF声を受けて、お客さんがマーシー!!と叫ぶ。
その「マーシー!!」の部分をボクが
その日一番のいいお客(元気がいいとか、かわいいとか)のUPを
GSからZOOM INするというカメラワーク。

カメラワーク的には、志村けんのだいじょうぶだぁの
なんだろうな!なんでもねぇよ!!と同じやつ。
決しておまけカメラではないメインカメラとしての仕事だった。
それこそ、客入れから、
今日はどの子にしようと休憩している暇なんかなかった。
それも
高田さんの教えだった。
以前、
違う番組で客ヌキのカメラをやらせてもらった時に、
チーフカメラマンだった高田さんがボクのところに近づいて、
いいか、辻。
客ヌキのカメラマンは客入れの時から既に仕事が始まっていてな、
どの子とどの子が一緒に来ている仲間とかを確認しとけ。
GS撮った時に、違う仲間が入っていると、
画面の外に話し掛けたりすると変だろ。
あと、よく笑う子、元気のいい子、かわいい子、変わったやつ
どいつがどこにいるのか、ちゃんと把握しておけ。
いつフラれても撮れるようにしておけ。


ボクはこの教えを守って毎回いいお客を探していた。

あと、
それいけ!マーシー!!には必ず歌ゲストがいて
毎週1曲歌の収録があった。
歌の担当のディレクターは
西村さんといって
当時、だいじょうぶだぁで
ウンジャラゲのロケを
一緒にやっていた人だった。
(その話は、だいじょうぶだぁ編で書きます。)
だから、
毎回サビのいいフレーズを、ボクによくやらせてくれた。
ボク的には、うれしい反面、
大緊張の瞬間だった。

思い出の曲は2曲あります。
1曲は、
工藤夕貴「ちょっとだけくずしたい
これもサビのいいフレーズをボクが担当させてもらった。
ハンディをかついで・・・というカメラワーク
RH終わりで、高田さんが、
「入りは抜群にいいぞ。途中もっと丁寧にやれ、本番期待してるから。」
と言ってくれた。
うれしかった。
でも、本番が終わった後、
「RHのがよかったぞ。」と言われてちょっとガッカリ。
また高田さんに
「よかったぞ!」
言わせてやると燃えたものである。
もう1曲は、
生稲晃子「Japanese Girl」
この曲も西村さんの配慮で、ボクがサビを担当することになった。
この曲はRH終わりで、チーフの
田中さんが大激怒!
「お前、頭の中でカメラワーク決めてから
RHやれ!」

とおこられてしまった。
それから、客入れが入るまでの休憩時間。
田中さんは、音資料の入ったラジカセを持って、
ボクに個人指導をずーっとしてくれた。

ダメ!もう一回。

と言う言葉とともにカセットテープは何度も巻き戻された。

誰もいないスタジオに三脚をたて、練習をするボクとチーフ田中。

まさに
巨人の星一徹・飛雄馬親子のようだった。(マジで・・。)
結局本番は、あんまりよくなかったように記憶している。

そんないろんな想い出があったこの番組。
2年近く放送は続いたんですが、
ボクはこの番組を休むことなく、最後まで
皆勤で終了をむかえた。
最後2回は、3カメに昇格したんですが終わってしまった。

つらくても、いい想い出がいっぱいだった
この番組、

ボクの初レギュラー(スタートからの)番組
の想い出でした。




つづく