tsuji-cam's HISTORY
中学時代の話

そもそも、
今の仕事(TVカメラマン)という仕事に出会ったのは中学の頃である。
TVは、もちろん子供の頃から大好きだったけど、
まさか自分がこんな仕事につくとは、夢にも思っていなかった。
小学校の卒業文集には、
「家(の仕事)を継ぎたい。」と、書いている。
そんな12歳の春。ぼくは、中学生になった。
中学になると、部活というグループ活動に強制的に入らされ、しかも、
ぼくの中学には3つの部しか選択肢がなかった。
バスケ・バレー・テニスの3つ。
テニス部は、ちょっとツッパった先輩たちのたまりだったのでパス!
バレー部は、手が痛そうなのでやめ。
結局ぼくは
バスケット・ボール部に入った。
それとともに、クラスの専門委員というやつがあって(学級委員とか、保健委員とか・・。)、

希望していたわけではなかったんだけど、
放送委員に指名された。
別にやりたくてなったわけではないので、あまり真剣にはとらえていなかった。
でも、それが今の辻のスタート、まさに第一歩になった。

放送委員会の仕事は、まず、お昼の校内放送。
(給食の時間に好きな音楽を流せる。
でも、顧問の先生のチェックがあるので、やりたい放題ではないのですが・・。)
続いて朝礼や体育祭等の放送器具の設置。
(クラスの輪から離れ、放送室などで給食を食べたり、
なんか、
特別な立場のような気になっていた。
ぼくは、こんなのでも充分楽しかった。
その反面、
先輩たちのイビリのようなしごきばかりの部活は、ちっとも楽しくなかった。
(バスケは、嫌いじゃなかったが、先輩たちが嫌いだった。)

そんなある日、
放送委員会の顧問の杉山先生(実は女子バレー部の顧問)が、
ビデオカメラを購入してきた。
杉山先生は、土曜日の放課後にレコード・コンサートという、
レコード鑑賞会を音楽室で開いたりする先生で、
(当時の鑑賞曲は、喜多郎の「シルクロード」【1作目。めっちゃ、感動した。】や、
シンセサイザーの富田勲の「惑星」「展覧会の絵」などである。)
いわゆる、メディア大好き先生だった。(若かったし・・。)
ぼくらに与えられたビデオの仕事は、体育祭の記録。
一年生のぼくらは、
全員参加の100m走と、組体操以外は、ズーッとこの仕事をやっていた。
楽しかった。
2年生の放送委員の人が、あまりそっちに興味が無かった為、
ぼくは、3年の先輩と交互でやらしてもらった。
ただ、この作品は記録であって
番組ではないので、編集とかもしなかった。(ビデオは1台だけだったしね。)
一方部活の方は、相変わらずで、先輩たちはますます嫌いだった。
まさに体育会系。

やがて、2年生になった。
ボクは放送委員に立候補していた。
しかし、残念なことに、
ボクは、ほかの奴に放送委員を奪われてしまっていた。

ショックだった。


ただ、人生とはうまいこといくもので、
授業の中の一環のクラブ活動(部活とは、違う週一時間の授業)に
ビデオクラブが、創設された。
クラブ活動はいろいろとあって、
ソフト・ボールクラブや将棋クラブなど室内外問わずたくさんのものがあり、
ビデオクラブは男女合わせて、10人くらいだったと思う。
そのとき作ったのは、以前レコード・コンサートで聞いた
「喜多郎」の曲にNHK特集「シルクロード」の写真集を
撮影しアフレコ機能を使って今でいうミュージック・クリップのようなものを作っていた。
ボクはもうひとつ、
プロレス雑誌(当時は月刊ゴング)を使って、
アントニオ猪木のテーマ曲「炎のファイター」
で、猪木のプロモも作った。
そんな、こんなで、2年生の秋。
やっといやな3年生が引退し、部活も気を使わなくていい立場になった。
同級生のバスケ部は、15人くらいいたけど、
ボクはもちろん、レギュラーではなく、といっても下手な方でもなく、
中途半端に、試合に出れそうで出られないNO.8 or 9ぐらいのやつだった。
(ちなみにバスケのレギュラーは5人)
そんな時、今度はバスケ部の顧問の佐々木先生が、
「試合をビデオに撮って研究したい!」と言ってきた。
もちろんその役に指名されたのはボクで、バスケそっちのけで試合を撮っていた。
そっちの方にすっかり夢中になってしまったボクは、バスケの方は、
いつのまにかNO.12・13ぐらいになっていた。
(ビデオのほうが楽しいのでバスケに集中できなかったんだろうな。)
結局、ぼくは、
バスケの試合は練習試合に1・2回出た程度で、大会には出られなかった。
でも、不思議と、くやしさはなかった。
そのころぼくは、
「高校に入ったら絶対放送部に入るぞ!」
と決めていたせいもある。
やがて、中学も卒業。
運命の日本大学三島高等学校に入学することになる。
しかしそのころの
将来の希望は、カメラマンなんかではなく、
まだ
「小学校の先生になること」
であった。



つづく