tsuji-cam's HISTORY


ニユーテレス編 その24

オールナイト・フジ A

前回、話は結構戻ってしまいました。すいみません。

何度も言いますが、
僕がニユーテレスという会社に興味を持った番組が、
オールナイト・フジでした。
僕はこの番組を見て、
カメラマンのセンスでこんなに違うんだという事を
実感しました。

なんでしょう・・・・・・・すごく能動的なんです。

ミュージシャンがカッコよく見えたんです。
当然、照明等の演出効果もあるでしょうが、
カメラワークが被写体の動きをしっかりとらえ
その方々の特徴をさらに引き出していたような・・・・そんな気がしたんです。

現在の僕(この文章を書いている今は2010年です。)は、
何度か雑誌や新聞の取材を受けましたが、
まさにこの事をいつも言っています。

カメラワークが
被写体の動きをしっかりとらえ
その方々の特徴を
カメラ技術でさらに引き出す。


僕の今でも大切にしている心情は
この瞬間に生まれているのだと思います。
※実際に試してみたのは
もう少したってからですけど・・・。

そして僕は、
この素晴らしい技術会社に入りたいと思い
試験を受け、運良く採用されます。
そして2年後、
いよいよこの番組に到着いたします。


前任の先輩が田舎に帰るという事態を受け、
僕にチャンスが巡ってきました。
その頃
ニユーテレスの社員ではなかったんですが、
契約者の同期・同い年のカメラマンがいて
その子とよく比べられたりしていました。
僕が4カメ。彼が5カメ。
ともにハンディカメラ。
若手はまず、ハンディからやらされるのが、
当時のしきたりだったように思います。

オールナイト・フジという番組は、
バラエティ番組、情報番組、歌番組の3つの要素を兼ね備えた番組でしたので、
スタジオハンディは楽しかったです。
僕が憧れた音楽のシーンでは、
ハンディを担いだり手持ちにしたり、
とにかく能動的で、毎回汗びっしょりの収録でした。
毎週7〜8曲もやるんです。
僕にとっては毎週運動会でした。
その週の木曜日くらいに音資料というものが届きます。
そこから3日間、その音源を繰り返し繰り返し聞いて
土曜日の本番に備えます。
ですから、当時聞いた曲は今でも、
「あ、オールナイト・フジでやった曲だ・・・・。」と甦ってきます。
全てが想い出の曲なんです・・・。

一番の思い出は、
アンルイスさんのミニコンサート。
僕が素人のころから、
オールナイト・フジ名物の一つに
アン・ルイスさんのミニコンサートがあった。
ハンディカメラマン大活躍のコーナーである。

六本木心中
今日、この曲をやると聞いたその日、
物凄くテンションが上がりました。
でも・・・ひょっとしたら、先輩がハンディカメラをやると言うかもしれない。
どうしてもやりたかった。
アン・ルイスに挑戦したかった。
結局、その日は、
僕と5カメの彼が2台のハンディを担当させてもらうことになった。
カット割りもイントロのみ。以下アドリブというやつ。
安心とともに物凄く緊張した。

当日は
若かったせいもあって必要以上にリハーサルに力を入れてしまった。
ハンディカメラでアンさんにグッと近づいた僕。
リハーサル終了後、
アンさんが僕に一言。
「もうちょっと抑えてくれる・・・・・。笑」
いけねぇ・・・やり過ぎたかな・・・と反省しているうちに本番。
しかし、アンさん。
本番は当然リハーサルと全然違う状況に!!
プロだなぁ・・・なんて感心している間はない。
全力でこのロックスター アン・ルイスに付いていくしかない。
仕上がりは結構はちゃめちゃだったが、
何とかこなせた。
でも僕はもうヘトヘトでした。
後でVTRを見てみると、明らかにカメラワークに疲れが見える。
体力をリハーサルで使いすぎたようでした。
まだまだだな・・・・・・と、
僕は自分に言い聞かせ、そして落ち込む。

収録直後、アンさんに
「ありがとうございました、すいませんでした・・。」と挨拶すると
アンさんは笑顔で手を振ってくれた。
オールナイト・フジ一番の思い出です。
今、もし、そんなチャンスがあれば・・・・・。
アン・ルイスさんの曲で弾けてみたいです。

ハンディカメラの仕事のうちのひとつに
Qカットというのがあります。
CM前5秒とか7〜8秒くらいのハンデイがグイグイいくやつ。
これが1日多ければ10回ぐらいある。
そのつどネタを担当が考えなければならない。
まぁとにかく、ネタが1パターンにならないように
いろいろ考えなければならない。
MC席の後ろに座っている女の子たちに
(僕の担当していたころは女子大生ではなくモデルさんたちになっていた)
よく手伝ってもらった。
「笑顔で振り向いて」とか、「手を振って」とか・・・。
一番の思い出は、
「僕がミニスカートの足を写しながら触ろうとするから
ピシャリと叩いてくれる」とか頼んだこともある。
頼んだ彼女は
喜んで僕の手をピシャリと叩いていました。
そういう事もあって、
このモデルさんたちとも仲良くなりました。
最終回の日、何人もの女の子たちと
僕らニユーテレスの若手は写真を撮りました。
涙は出なかったけど、悲しい別れでした・・・。
あの頃のみんなどうしてるかな・・・。
当時の出演者で、今も活躍しているのは、
僕は話したことなかったんですが
青田典子さんがCCガールズ前にいらっしゃった。
そしてオールナイト・フジ最後のMC
大家祐由子さんは、
北野映画の常連として大活躍をしている。
大家さん、僕のことなんか覚えてないだろうなぁ・・・。

なんか本当に想い出一杯の番組なんです。

オールナイト・フジの話はもう少し続きます。


つづく
(今度はいつ更新するのだろう?????)